Amaneの反蔵書

世の中の固定観念を問い続ける書評ブログ

小学校にAI導入したら…

未来の小学校の姿

f:id:MikadoAmane:20161129004912j:plain

 

あなたが小学生だったときのことを思い出して欲しい。朝8時に学校に行って、8時半には席についてホームルーム。そのまま1時間目の授業が始まって、4時間目の授業にはお腹が空いて授業どころではなかったかもしれない。

 

思い返してみれば、みんながみんな同じ時間に同じ席に座って授業を受けていたのではないだろうか。この「当たり前」がもう過去のものになるということをあなたは想像できるだろうか?

 

10年後の小学校では、朝のホームルームが終わればみんなが自由に勉強したりスポーツしたりできる。楽器を弾いてもいいし、絵を描いてもいい。自分で自由にカリキュラムを組めるのだ。

 

今の授業制度では子どもが成長しにくい

以下のグラフは、ベネッセ教育総合研究所の『小中学生の学びに関する実態調査 速報版』のデータから作成したものだ。

f:id:MikadoAmane:20161129010257p:plain

子ども一人ひとりによって、すらすら理解できることや躓いてしまうことが別々なのは当たり前だが、みんなが同じ授業を受けなければならない現在のシステムだと、できる子は授業が自分のペースより遅くて退屈してしまうし、躓いてしまった子は追いつくのが難しくなる。授業が難しすぎたり簡単すぎたり感じてしまう子どもが全体の30%ほどいるのがこのグラフからわかるが、これは授業のペースが決まっていることが原因ではないだろうか。

 

さらに、先生も授業の準備やテストの採点、職員会議や報告書の作成など、忙しくてとてもじゃないけれど子ども一人ひとりのサポートをすることができない。これが勉強のやり方がわからないだとか、やる気が起きないという悩みの原因の一つになっているように思う。

 

最新のIT技術を活用している海外の学校

オランダの「スティーブ・ジョブズ・スクール」では、ブレンディッド・ラーニングと呼ばれる方法を活用している。ブレンディッド・ラーニングとは、ディスカッションや共同作業をみんなでする授業と、ipadなどのデバイスを使って自習するe-ラーニングを「ブレンド」した学習方法だ。みんなでできる学習と、一人で自分のペースに合った学習を組み合わせることで効果的に勉強できる。

 

(Link)

ICT教育は、教科書をタブレットPCに置き換えることじゃない。学校の「仕組み」や「言葉」から創り変える『スティーブ・ジョブズ・スクール』に行ってみた | 未来教育会議

 

みんなで受ける授業は基本的に年齢がばらばらで、子どもの習熟度に合わせている。自分の好きな時に、好きなペースで勉強を進められるし、事前に先生と相談しながらカリキュラムを組むので自主的に勉強ができる。もう、授業が簡単すぎてつまらなかったり、難しすぎてつまらなかったりすることはない。

 

これまで先生が行っていた授業もかなりの分量をipadに任せられるようになって、より子ども一人ひとりの勉強のサポートができるようになる。

 

AI(人工知能)と教育の化学反応

スティーブ・ジョブズ・スクールでは、子どもがどれぐらいのスピードで勉強しているのかをipadのデータを通して見ることができ、それを参考にして先生は保護者や子ども自身とこれからの勉強の進め方を話し合う。

 

この方法とAIを組み合わせると、面白いことが起きると私は確信している。

AIがipadから送られてきた膨大なデータを解析することで、成績が伸びた子どもの勉強のしかたを分析して、子ども一人ひとりに最適な勉強方法を見つけ出してくれる。しかも、データを集めれば集めるほどその精度は上がる。世界中の子どもたちの勉強のしかたをAIが解析すれば、世界レベルで最高の勉強方法、しかもその子ども一人ひとりに合った勉強方法をアドバイスしてくれる。

 

 

こんな小学校で、意欲的に学ぶことができればきっとすばらしい世の中になるんじゃないかと希望を抱いている