Amaneの反蔵書

世の中の固定観念を問い続ける書評ブログ

ウェブで商品を売る技術とプレゼンの類似点

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セールスライティングを書ける人が求められている

セールスライティングというのは、主にウェブページで商品を売るために文章を書く仕事だ。わかりやすく言うなら、セールスマンが言うことを全部文章にする仕事。現在、ウェブページでのマーケティングがどんどん活性化していっている中で、セールスライティングを書ける人が圧倒的に不足していると、『ウェブセールスライティング習得ハンドブック』の著者である山本隆裕氏は言う。今回はこの本を読んで考えたことを書いていきたい。
 

 

なんでセールスライティングを習得すべきなのか?

先にも言ったように、現在はコピーライティングの需要が高まっている反面供給が少ないので、市場価値が高いというのが一つの理由。ただ、これだけが学ぶ理由ではない。筆者はこのコピーライティングの技術を、「商品を売る強力な武器」として捉えているのだ。
 
だから、自分の売りたい商品があればそれを売るためにコピーライティングの技術を利用できるし、他人の商品を売ることでも報酬を得ることができる。つまり、コピーライティングは自分の市場価値を高める最高の手段だと筆者は主張している。
 
ちなみにこの人は元大手会社員で、毎日何のために働いているかわからず会社を辞めてセールスライターとして独立した人なので、社会にでても「働くってなんだろう?」と疑問を持って過ごしている人にも是非読んで欲しい。
 
 

人ってなんでものを買うの?

この本では第2章が消費者の購買心理について書かれている。普段私たちは何気なくものを買っているが、私たちは実際のところ何を考えて、何を感じて買っているのだろう?
 
”感情でものを買い、その後で理屈で正当化する”
 
というのが筆者の考えだ。つまり、私たちは「かっこいい!欲しい!」と思った後に、「いやこれは必要なものだから…」と理屈をつけて結局買ってしまうというのだ。こんな経験、あなたはあるだろうか?
 
私は今、macbook airで記事を書いているのだが、丁度これを買う時にこういう経験をした。
当初、macはいわゆる「自意識高い系」がみんなして使っているという理由で嫌っていたのだが(笑)、タブレットであるNexusとiphoneを使ってみた結果「apple製品の操作性ってすげえ」と感じ、触ったこともないmacbookに漠然と洗練された操作のイメージを持つようになった。「一度好きになったら全部好きになる」という、恋愛脳の女子高生と同じように私はappleのホームページやmacbookのレビューを読んで以前の「自意識高めなイメージ」は完全に払拭されてmacbookの虜になっていた。後は自分がなぜmacbookを買うのかという証拠を片っ端から調べてポチるだけ。
 
特に、生活必需品ではないにしてもあればすごく便利なものに対して、筆者の理論は当てはまりやすいように思う。
 

セールスライティングとプレゼンの類似点

上の一例のような購買心理に基づいて「売れる文章」を考えるのがおおまかなセールスライティングの仕事だが、私はこれを読んでプレゼンと似ているなと感じた。
 
例えば、「人は説明を聞きたがらない」という一般的な傾向がある。
会議などであなたが一生懸命説明したのに、あまり詳細に説明をしていなかった他の人の案が何故か採用されたような経験はないだろうか?
あるいは、友達の恋愛相談にあなたが乗っていて、絶対に付き合うべきではないと自分が思う人と付き合いたいという友人に対してあれこれ説明して説得しようとしたのに結局付き合うことになってしまったような経験はないだろうか?
 
もちろん論理的な説明は人を説得する時に重要な要素だが、残念なことに人はそこまで説明されることに慣れていない。だからセールスライティングではできるだけ説明を簡単かつ直接する必要があるが、これはプレゼンでも同じだ。人の考え方を変えようと思うと、論理はもちろんだが感情に訴えかける表現が必要になる。
 
 
類似点のもう一つは「ヘッドライン」という概念。「ヘッドライン」とは、最初の見出しで読み手の心を惹きつけるための文章だが、これはプレゼンでいう「フック」に当たる。「フック」はいわば「ツカミ」。プレゼンでは聞き手の興味や関心を数分で「つかむ」とそれ以降の少々退屈な説明も集中して聞いてもらえるというのは、まさしく「ヘッドライン」と同じ役割なのではなかろうか。
 
 
つまるところ、セールスライティングは文字によって、プレゼンは話し言葉によってそれを受け取る人の心をつかんでそれまでの考え方を変えるものなのだろう。
 
 
『ウェブセールスライティング習得ハンドブック』は、心構えから購買心理、具体的な書き方、リサーチなど、セールスライティングをするにあたっての基本的に抑えなければならない部分を広くカバーしていると思う。興味があれば、以下のリンクから詳しい内容を見てほしい。
 
link:出版社の紹介ページ
 
 
ちなみに私がこの記事を書く時にこのようなことを考えていたかというと、あまり考えられていない(笑)。
 
言うは易し、行うは難しということで、これから徐々にライティング技術を磨いていきたいと思う。